「ソンジェ背負って走れ」で大ブレイクしたこの方、변우석さん。
Twitterを見ていると
#ピョンウソク
#ビョンウソク
このように2通りの名前表記がされていますが、どちらが正しいのでしょうか?
結論から言うと、「どちらも違う(=本国の呼び方とは遠い)」です。
実はこの問題、結構奥深いハングルの話になります。
本国の発音は…
변우석
上にあるインスタの投稿で音を確認してください👍
可能な限りカタカナで近い発音を表記しようとすると「ビョヌソク」で、もう少し近い表記だと「ビョヌソk」になります。
そもそも변のㄴパッチムと우が連音化するので、ピョン・ウソクやビョン・ウソクのように区切って発音されません。(役所や軍隊などで一字ずつ名前の確認が必要な時は、一字ずつ区切って発音することもあります)
連音化については以下の記事をご覧ください。
なので韓国で「ピョン・ウソク」「ビョン・ウソク」と言っても大抵は聞き取ってくれないでしょう(文脈上わかってくれることも多いと思いますが)。
私はなんて呼んでいるか
普段の会話は韓国語が多いので普通に변우석と呼んでいますが、日本語で言う時は「ピョン・ウソク」と呼んでいます。ビョン・ウソクと言うと、もうそこまで来たら변우석と呼びたくなるんですよね。完全に個人の好みです。
ピョンウソクもビョンウソクも実際の韓国での発音とは違うので、呼びたい方で呼んでいいと思います。
韓国語に限らず外国人の名前表記は難しいなあと思います。
語頭のㅂの発音・表記問題
この混乱は決してピョン・ウソクに限った話ではなく、「濁る・濁らない問題」はㅂ(p/b)で始まる単語に共通してあります。
そもそもㅂはどんな音なのでしょうか?
日本語で説明するなら、「ㅂはPとBの間の音、語頭では息が強く出るからP寄りになる」です。
ハングルを習う時は「ㅂは語頭でP(パ行)、語中でB(バ行)」と教わると思います。ただし実際は「ㅂはPとBの間の音、語頭では息が強く出るからP寄りになる」という説明の方が正確です。
ではなぜ「語頭でP、語中でB」と習うのかというと、この方が簡単で覚えやすいからです。最初から複雑な説明を受けると多くの学習者は挫折してしまいます。まずはシンプルな説明で大まかでも覚えることが大事だと考えられています。
例えば、「釜山(부산)」という地名も日本語のプサンとは違います。
日本語の「プサン」はどちらかというと「뿌산」に近いです。
「부산」の부はもっとBの音が混じっています。
他にも「바다(海)」という単語も「パダ」という発音で知られていますが、実際の바の発音はPとBの間という感じです。
英語表記は…
英語表記はどうなっているかというと、以前は単語ごとに近い音が当てはめられていましたが、現在は「ㅂはBと表記する」と定められています。
例えば、「釜山(부산)」は以前は「PUSAN」でしたが、今は「BUSAN」に表記が変わっています。
したがってピョン・ウソクさんも「Byeon Wooseok」と表記されます。
平音の濁る・濁らない問題
これはㅂに限らず、平音(基本子音)「ㄱ ㄴ ㄷ ㄹ ㅁ ㅂ ㅅ ㅇ ㅈ」の中で濁る音「ㄱ ㄷ ㅂ ㅈ」に共通している問題です。
ハングルを学ぶ時これらはすべて「語頭で濁らず、語中で濁る」と覚えたと思います。
正確にはそうではありません。
よりハングルの正確な音について理解できれば、より正確な発音ができるようになります。
詳細は以下の記事をご覧ください。
まとめ
・변우석の一番近いカタカナ表記は「ビョヌソク」(英字も使うならビョヌソk)
・通常連音化するのでピョン・ウソクもビョン・ウソクもちょっと違う
・「語頭のㅂは濁らずパ行」と習うが、本当はPとBが混ざった感じの音。
→平音(基本子音)の本当の音について学ぶと、よりネイティブに近い発音ができる