今日は人気の韓ドラ「暴君のシェフ」(Netflix配信)から。
第3話で主人公ジヨン(少女時代ユナ)が都承旨に「カバンを探して」と交渉するシーン。
ジヨンが가방(カバン)と言っても都承旨は「何それ?」とピンとこない様子で、身振り手振りでカバンを伝えるジヨンが可愛かったですね。

え、カバンって韓国語でも가방じゃないの??
…と思ったかもしれません。
実は「カバン」は後から日本を通して韓国へ入ってきた言葉なのです。
朝鮮では가방(カバン)は봇짐(ポッチム、ボッチム)と言われていました。
ドラマでも都承旨が「あ〜、ポッチムのことね!!」と納得しています。
ポッチムとは「風呂敷包み」の意味で、左のように簡易的なものを괴나리봇짐(クェナリポッチム)と言います。괴나리は「仮の、適当な」という意味です。
こんな感じで肩にかけられるゆったりめのバッグのことも今でもポッチムと呼ばれます。
国立国語院は、カバンの由来について次のように解説しています。
‘가방’, ‘구두’는 일본을 거치거나 일본에서 들어온 말이 맞습니다. “표준국어대사전”의 어원 정보에 따르면, ‘가방’은 네덜란드어 ‘kabas’에서 비롯된 일본어 ‘かばん[鞄]’이 들어와 정착된 것이고, ‘구두’는 일본어 ‘くつ[靴]’가 들어와 정착된 말입니다.
가방(カバン)や구두(靴)は日本語を経由して韓国語に入った外来語です。『標準国語大辞典』の語源情報によれば、가방(カバン)はオランダ語 kabas に由来する日本語「かばん(鞄)」を通じて定着したものであり、구두(靴)は日本語「くつ(靴)」が韓国語に入って定着した語です。
(国語院サイトはこちら)
日本統治時代に「カバン」という言葉が韓国に広まり定着したとされています。
なので朝鮮王朝の人に「カバン」と言っても通じなかったのですね。
せっかくですので、가방に関連した言葉も覚えていきましょう。
가방 鞄
배낭 リュックサック
캐리어 キャリーケース、スーツケース
백 バッグ
가방을 메다 鞄を背負う
가방을 들다 鞄を手に持つ
가방을 열다/닫다 鞄を開ける・閉める
가방을 싸다 鞄に荷物を詰める
가방을 챙기다 鞄を用意する、持っていく

同様に、tvN時代劇「シュルプ(슈룹)」の題名である슈룹(シュルプ)は「傘」の昔の言葉です。
今では傘のことを우산(雨傘の漢字語)と言いますが、昔は슈룹と言っていました。
ポスターを見ると中殿が王子に傘をさしてあげています。陰謀渦巻く王宮の中で王子たちの傘となりどんなに強い雨からも王子たちを守るという賢く強い中殿のイメージを作り上げています。
【暴君のシェフあらすじ・相関図はこちら】















