Netflixで配信中の人気韓国ドラマ「暴君のシェフ」。ドラマを見ていて妃や側室モクジュたちのあのまん丸な髪型が気になる人も多いと思います。
「トンイ」や「赤い袖先」など、韓国時代劇でよく見るのは後ろでかるくまとめてかんざしを差すタイプですよね。
どちらが正しいのか?どういう決まりがあったのか?
朝鮮時代の女性たちの髪型についてまとめていきます。
燕山君の時代の髪型
ドラマ王妃や側室がしているまん丸の髪型は「オヨモリ(어여머리)」と言います。後宮の人間や高位の女官のみができた髪型でした。

全部地毛なの?
全部地毛ではなく、カチェ(가체、加髢)という付け髪を使っていました。カチェはタリ(다리)、다래(タレ)、다레(タレ)とも呼ばれます。

ドラマ見てるとすごく重そうに見える…
はい、その通りめちゃめちゃ重かったようです。健康にも悪かったと言います。
カチェはめっちゃ重くてめっちゃ高い
カチェの重さは数kg〜数十kgに及び、女性たちは肩こりや首の痛みに悩まされていたと言います。なかにはカチェをつけた幼い女性が立ち上がった時に首の骨を折ったという記録も残っています。
人々は次第にカチェをより大きく、より豪華なものにしようとして、なかには家財を全て投げ払って高価なカチェを買うようになり社会的な問題になりました。
ついにカチェ禁止令発令が
その結果、第21代王・英祖(ヨンジョ、영조)が「カチェ禁止令(가체금지령)」を出し、より簡易なチョンモリ(쪽머리、地毛を後ろで結ってかんざしを挿す髪型)にするように命じました。
ただし、婚礼や儀式の時などにカチェは使われ続け、完全になくなることはありませんでした。

あれ、トンイはかんざしをつけていたけど、粛宗(スクチョン)って19代王だよね…?
あの「トンイ」の髪型はドラマ用だった!
そうなんです。
実は、私が大好きな時代劇ドラマ「トンイ」で出てくる後宮たちのかんざしスタイルは実はドラマ用で、当時の髪型ではなかったんです…!
トンイが生きた第19代王・スクチョンの時代は、まさにカチェ全盛期で後宮の女性たちは「暴君のシェフ」の王妃たちのようなまん丸頭(オヨモリ)だったと考えるのが自然です。下の動画の左の頭をずっとしていたということ。
では、なぜ「トンイ」ではかんざしスタイル(チョンモリ)だったのか?
当時の記事を見つけましたが、「トンイ」のイ・ビョンフンPDいわく、「時代考証に合わないのはわかっているが、カチェを使うと女優たちの負担があまりにも大きいので、チョンモリにした」とのこと。

当時はなぜカチェを使わないんだと少し議論になったみたいです。
でも首のヘルニアなどの懸念もあるとのことで、健康第一ですね。
「暴君のシェフ」で後宮の人たちはカチェをつけていますが、2025年の今はだいぶ軽量化されたのではと信じたいです。
→4日のスペシャル放送でモクジュ役のカンハンナさんが語っていましたが、やはり本物に近い巻き髪タイプで本当に重くて首を痛めたとのこと…今でも変わらず大変なのですね…(10/4更新)

カチェは韓国のダイソーでも売ってる。
カチェは今、韓国のダイソーで伝統シリーズとして売られています。
カチューシャですが。

本物は重くて耐えられなさそうなので、このカチューシャでカチェ体験して見てはいかがでしょうか。
暴君のシェフ、いよいよクライマックスへ!
いよいよ来週が最終週の「暴君のシェフ」。
世紀の大粛清、甲申士禍(カプシンサファ、갑신사화)は起こってしまうのか?
イホンは本当の暴君になってしまうのか?
ジヨンは現代に戻れるのか?ならばイホンとは離れ離れになってしまうのか???
楽しみに待ちたいと思います!

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参考文献・サイト
韓国民族文化第百科事典
・가체 https://encykorea.aks.ac.kr/Article/E0000380
・어여머리 https://encykorea.aks.ac.kr/Article/E0036030










































