学習者の皆さんに苦手な文法表現を聞くと、「-거든요」と答える方が多いです。
日本語でこれ!とピッタリ対応する表現はなく、使い方のポイントが掴みにくい表現ですよね。
今回は-거든요を使えるようにコツや練習法をご紹介します!
-거든(요)の意味・作り方
-거든
【訳】〜なんだよ、〜なんだもん、〜なんだから
【意味】相手が知らなそうな情報を伝えて、「へ〜」と言ってほしいときに使う
【作り方】語幹+거든
・하다→하거든(するだもん)
・먹다→먹거든(食べるんだもん)
【敬語】
・-거든요:〜なんですよ
ポイントは「相手に”へ〜”と言わせたい」
この-거든(요)はどう使えばいいかわからず苦手だという人が多い語尾です。
ですが意外に使い方は簡単です。
-거든(요)は「相手が知らないであろう情報を伝えて、へ〜そうなんだと言わせたいとき」に使います。
例えば
・相手が知らなさそうな情報を伝えるとき
어제 일본에 도착했거든요(昨日日本に到着したんですよ)
・言い訳や釈明をして相手を納得させたいとき
저도 열심히 준비했거든요!(私も一生懸命準備したんですよ!)
거든요を使うとおかしい例
相手が「そりゃそうでしょ、知ってるよ」となる情報に거든요をただ真面目に使うと変になります。
例えば、下の文章を “ただ真面目に” 言ったときは不自然になります。
오늘은 월요일이거든요!(今日は月曜日なんですよ!)
→言われた相手は「うん、知ってますよ…」となる。
카페에서 커피를 마셨거든요!(カフェでコーヒーを飲んだんですよ!)
→言われた相手は「まあ、カフェに行ったらコーヒー飲むのは普通よね…」となる。
「ただ真面目に」ってどういうこと?
冗談で言ったり相手が驚くような事情があるときは、上の例文も自然な場合があります。
上の카페에서 커피를 마셨거든요!(カフェでコーヒーを飲んだんですよ!)という文は、たとえば私がコーヒーが大嫌いでそれを知っている友人に「この前カフェに行ってついにコーヒー飲んだの!この私が!」みたいな感じで言えば、友達も「へ〜ついに!?」みたいに返して、自然なやりとりになります。
1文だけ見ても거든요はわからない
거든요は例文1文だけ見てもいまいち掴めません。
これが学習者が苦手に思う1番の理由だと思います。
例えば上で紹介した例文だと
「어제 일본에 도착했거든요(昨日日本に到着したんですよ)」
「어제 일본에 도착했어요(昨日日本に到着しましたよ)」
という普通の文章と何が違うのかあまりよくわかりません。
(ちなみにこの2文の違いは、下の普通の文章は情報をただ伝えるだけなのに対し、거든요を使うと「この情報を知ってほしい!」という強調の感情が入るという点です。)
例えば、
Aさん:何で▲▲なんてことしたんだ!
Bさん:〇〇ってことがあったんですよ!だから▲▲したんです。
…という▲▲という行動をとったことをAさんに納得してほしくて、〇〇という理由・背景を伝えるときに거든요を使います。
このように、거든요は会話全体の流れを見ると一気に理解しやすくなります。
-거든(요)は文章で練習すべし
では、実際に会話の中でどのように거든요が出てくるか、BTSのSUGAさんの動画で見てみましょう。
会話の流れと거든요が出てくる部分に注目です。12, 13년 전에 서울 왔을 때는 [12년, 13년 전] | 12~13年前 ソウルに来た時は [12~13年前] |
가로수길에 뭐가 없었어 [12년, 13년 전 그때의 기억이 새록새록] | カロスキルは何かがなかったよ [12~13年前 あの頃の思い出が次々と] |
다 바뀌었어요, 다 바뀌었어 | すっかり変わりましたよ、すっかり変わった |
좋아하던 카페랑 | 好きだったカフェと |
좋아하던 식당들이 다 없어졌어 [흘러간 시간만큼 낯설어진 풍경들] | 好きだった食堂とかが 全部なくなった [流れた時間ほど距離感を感じさせる風景] |
이렇게… | こんなに… |
떠 버릴 줄이야 | 人気になってしまうとは |
식당 진짜 오랜만에 와 본다 [지하가 옛날 연습실] [단골이었던 ㅇㅈ식당 도착] | 食堂 本当に久しぶりに来てみた [地下が昔の練習室] [行きつけだったユ〇食堂 到着] |
아예 식탁이 생겼네? [지하가 옛날 연습실] [단골이었던 ㅇㅈ식당 도착] | すっかりテーブルができたね [地下が昔の練習室] [行きつけだったユ〇食堂 到着] |
들어가 봐도 되나? [설렘] | 入ってもいいのかな [ワクワク] |
들어가 봐도 돼요? | 入ってみてもいいですか |
아니, 근데… | ところで… |
진짜 약간 그거구나 [(식당 앞에서 인증샷 찍는 아미 발견)] | 本当にあれだな [(食堂の前で記念写真を撮るARMY発見)] |
약간 하나의 성지가 돼 버렸구나 | こうひとつの聖地になっちゃったんだね |
요즘 아침 안 하시나 보다 | 最近は朝食やられてないみたいだ |
나 학교 가기 전에 여기서 밥 먹고 가고 그랬었거든요 | 僕 学校に行く前にここでご飯食べて行ったりしてたんですよ。 |
추억이 되게 많은 곳이라고 [말 그대로 추억이 많은 곳] | 思い出がたくさんある場所だと [言葉通り 思い出が多い場所] |
最後に出てきましたね、거든요が。
この会話の流れ分かりましたか?
「昔の行ってた街や食堂の話→自分の話=ここでよくご飯食べてから学校に行ってた→この場所は思い出の場所だ」
という流れです。
その中で、みんなが知らないであろう自分の話(=昔よくここでご飯食べてたの!)を強調して伝えたいので거든요を使っています。
聞いたスタッフや視聴者も「へ〜、ユンギさん昔ここで朝ごはん食べてたんだ〜!」となりますよね。
確かに例文の1文だけよりも、前後の文章とあわせて見たほうがわかりやすいかも!
まとめ
-거든(요)
・相手が驚いたり納得しそうな情報を強調して伝えたいときに使う。
→相手に「へえ〜」と言わせたいときに使う
・1文で覚えるのではなく、会話の流れ全体を抑えることが大事!
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