어제(昨日)と밤(夜)がくっついて어젯밤(昨夜)とか、머리(頭)と속(中)がくっついて머릿속(脳裏)とか、単語がくっついたときに出てくるこの「ㅅパッチム」ってどこから来てるの?
…という質問が来ることがあります。
この「単語の間に来るㅅパッチム」は「サイシオッ」と言います。
このサイシオッは何者か、なぜあるのか説明します!
サイシオッとは
もともと別の単語同士が合わさって1つの単語になるとき、前にくる単語が母音で終わる場合、その単語にㅅパッチムをつけます(これをサイシオッと言います)。
サイシオッという名前は覚えなくて大丈夫です。
ちなみに単語の間(=사이)にㅅ(この子音の名称は시옷と言う)がつくから「사이시옷(サイシオッ)」と言います。
例えば어젯밤(昨夜)という言葉は
어제(昨日)と밤(夜)が合わさってできています。
これを「昨夜」という1単語にするときに「ㅅパッチム」を使います。
なぜㅅパッチムを使う?
ㅅパッチムで単語を繋ぐ理由は、「ㅅパッチムがあると意味の切れ目がわかりやすい」からです。
サイシオッは接着のりみたいなものだと思うと楽です。
어젯밤(昨夜)なら、「어제と밤をㅅパッチムというのりでくっつける」と思いましょう。
のりがあると、どこで意味が切れるかわかりやすくなります。
어제밤だと「어/제밤」なのか「어제/밤」なのか、あるいは「어제밤で何か違う別の1語」なのかパッと見ではわかりません。
어젯밤だと、見た瞬間に「あ、어제と밤が合わさったものだ」とすぐわかります。
文字だけでなく音で聞く時も同じで、
「オジェバム」だとどこで切れるかわかりにくいですが、「オジェッバム」だと「あ、オジェとバムが合わさった言葉だ」と音でもわかりやすくなります。
サイシオッが使われる単語
サイシオッの役割がわかったところで、実際に使われている単語を見てみましょう。
・어젯밤【発音は어젣빰】:昨夜
→어제(昨日)+밤(夜)
・머릿속【発音は머리쏙/머릳쏙】:脳裏
→머리(頭)+속(中)
・뒷자리【発音は뒤짜리/뒫짜리】:後ろの席
→뒤(後ろ)+자리(席)
・뒷머리【뒨머리】:後頭部
→뒤(後ろ)+머리(頭)
・뒷길【発音は뒤낄/뒫낄】:裏道
→뒤(後ろ)+길(道)
・뱃속【発音は배쏙/밷쏙】:腹の中
→배(お腹)+속(中)
なんで発音が濃音になったりㄴパッチムになったりするの?
なぜ表記と発音が違うのか?
これは今回のサイシオッに限らず、普通の単語でも表記と発音が違うことがあります。
なぜ発音が表記と違うのかというと、「その方が韓国人にとって発音しやすいから」です。
例えば、걱정(心配)という単語の発音は「걱쩡」です。
これは表記通り「걱정」というより「걱쩡」と発音した方が韓国人にとって楽だからです。
詳しくいうと、걱でㄱパッチムでkの音を出した後に普通に정の音を出すより、쩡とアクセントをつけた方が「韓国人にとって」発音しやすいんです。
サイシオッでも同様で、뒷머리(後頭部)の発音が「뒨머리」なのは、表記通りに「てぃっもり」と発音するとなんだか音のつながりが悪いので、よりなめらかに「된머리」と発音しているだけです。
このように表記と違う発音をするときは、「こっちの方が韓国人にとって発音しやすんだな〜」と捉えるのがいいと思います👍
まとめ
・もとは別の単語同士がくっついて1語になるとき、前がわの単語が母音で終わる場合はㅅパッチムをつけて2つの単語をくっつける。
・表記と発音が違う場合があるので注意。