「何から始めたらいいのかわからない」
「次は何を覚えればいいのかわからない」
こんなお悩みをよくいただきます。
今回は文法勉強の進め方についてご紹介します!
韓国語の文法の仕組みから知ろう
文法勉強を始める前に、まず「韓国語文法の3大特徴」を知る必要があります。
【特徴1】語順は日本語と(ほぼ)一緒
【特徴2】原型「〇〇다」が活用していろんな表現になる
【特徴3】活用は2パターンしかない
この3つです。
1つ目の「語順が(ほぼ)一緒」ということは、基本的には日本語の文章をそのまま対応する韓国語に置き換えていけば、韓国語の文章が完成するということです。
例えば、
韓:일본에 돌아오자마자 라멘을 먹었어요.
日:日本に帰ってくるやいなやラーメンを食べました。
このように名詞・助詞・動詞・接続語がすべて同じ並びで対応しています。
韓国語学習者の中で、日本人はラッキーかも?
うん。他の国の人が苦労するところも、日本人なら軽くスルーできることも多いんだ。
2つ目の特徴は「原型〇〇다が活用することでいろんな表現になる」ということです。
日本語も一緒です。
行く→行った、かわいい→かわいかった
原型が活用(=変形)していろんな表現になりますよね。
ここでポイントは、日本語と違い韓国語の原型は「〇〇다」という形に統一されていることです。
日本語は同じ動詞でも「〜く(例:行く・歩く)」や「〜う(例:買う・もらう)」など結構バラバラです。
韓国語は、가다(行く)・사다(買う)・귀엽다(かわいい)・예쁘다(綺麗だ)など、原型はすべて「〇〇다」になります。
何が良いかというと、「韓国語は原型を暗記しやすい」ということです。
日本語を外国人が覚えるとき「貰う・貰く、行く・行うはそれぞれどっちだっけ?」と迷うことが、韓国語では起こりません。
だって「〇〇다」で統一されているんですから。
3つ目の特徴は、「活用は2種類のみ」ということです。
韓国語の活用は、「語幹+〇〇(-〇〇)」と「-아/어 〇〇」の2種類しかありません。
語幹というのは、原型〇〇다から다を取った〇〇の部分です。
가다(行く)の語幹は가、예쁘다(綺麗だ)の語幹は예쁘です。
-아/어というのは、해요体(〜です・ます体の1つ)から요を取った部分です。
가다(行く)の해요体は가요(行きます)なので、-아/어は가です。
예쁘다(綺麗だ)の해요体は예뻐요(綺麗です)なので、-아/어は예뻐です。
この語幹と-아/어のどちらかに言葉をつけることで、いろんな文法に変形します。
例えば、否定形「지 않다(〜しない)」は「語幹+지 않다」というルールです。
なので、「行かない」は가다の가と지 않다をくっつけて「가지 않다(行かない)」となります。
じゃあ動詞や形容詞を覚えるときは原型と해요体を覚えることが必要なんだね!
その通り。逆にいうと、その二つさえ押さえればいいからかなり楽だよ。
以上、この3つの特徴を知ることが大切です。
最初に覚える入門文法はこちら
上の3大特徴を知ると、文法は何から始めればいいのかわかります。
語順が一緒・原型が活用する・活用は「語幹+〇〇」と「-아/어 +〇〇」が特徴だから…
ここから言えるのは、「해요体と、よく使う文法から覚えるべき」ということです。
「よく使う文法はどの言語もそうじゃない?」と思われるかもしれませんが、英語だと語順が違うので先にSVCなど文型から覚える必要がありますよね。
それを韓国語学習では飛ばしていいということです。
これは結構大きいです。
じゃあよく使う文法は何?
よく使う文法はこちらです。
・-(이)다(〜だ・である)
・합니다体(〜です・ます)
・해요体(〜です・ます)
・否定形
・過去形
・疑問形
・있다/없다
なので、私はこれらを「最初に覚える入門文法」としてまとめています。
入門文法を覚えた次は、初級文法
入門文法をマスターしたら、次は初級文法です。
初級文法の特徴は、「よく使うけど、入門文法の知識が先に必要な文法」です。
初級文法はこちらです
・連体形
・謙譲「いたします」
・尊敬「〜なさる」
・過去完了
・可能/不可能
・겠の意味
文法を覚えた後は「接続と語尾」
文法としてくくれるのは上に挙げたものくらいで、あまり多くないです。
入門文法が終わったら、後は初級文法と「接続と語尾」です。
例えば、次の文の赤字が接続、青字が語尾です。
韓:맞는지 아닌지 확인해 보자.
日:合ってるのか違うのか確認してみよう。
韓国語の文章のほとんどは、入門・初級文法と接続・語尾で形成されています。
入門・初級文法だけでは「短文」しか作れません。
文と文をつなげるのが接続語です。
接続語を覚えていくと、文を自由自在に繋げられるので、作文力(=韓国語の文を作る力)がアップします。
それはつまり、話す力がアップするということです。
入門・初級文法だけでは「感情表現」ができません。
感情表現に必要なのが語尾です。
日本語で言うと、「〜でしょ」「〜よね」「〜そういうことになった」「〜しちゃった」みたいな感じです。
語尾の表現を覚えていくと、自分の伝えたいニュアンス通りに伝わるので、表現力がアップします。
日常会話では、この入門・初級・接続・語尾で十分“ペラペラ”になれると思います。
その次は、中級・上級文法に慣れていこう
中級・上級文法は主に「商売するとき」に必要です。
会社が公表する文書や、ニュース原稿、論文など、オフィシャルの場で文章を提示する立場の人が使う文法表現がほとんどです。
ドラマや映画で、少なくとも人のセリフではあまり使われないんじゃないかと思います。
なので、韓国語でビジネスしたい人やオフィシャルの場で韓国語の文章を発表する人は使えるようになる必要があります。
しかし、ほとんどの人は使うというよりニュースや記事で見聞きするのがメインだと思います。
なので、中級・上級文法はひとまとめに覚えるよりも、自分の興味があるニュースや記事で使われたものを一つずつ覚えていくのが良いと思います。
また、検定で上の級を狙う場合にも、やはり自分の興味があるニュースや記事などでよく使われている表現を覚えて、それを自分の作文にも使っていくというのがおすすめです。
まとめ
大事なポイントをまとめました。
韓国語の文法の特徴をまず知る
↓
入門文法から学び始める
↓
初級文法と接続・語尾を覚えていく
…この時点で日常会話は楽にできるようになる
↓
その上の中級・上級文法は、自分が関心のある分野のニュース・記事からよく出会う表現を一つずつ覚えて慣れていく